伊東高校でマナー講座をする理由

 先日、母校である伊東高校にてマナー講座をしました。このような活動を2010年から続けています。その理由をお伝えしたいと思います。 

 長年ビジネスの場で様々な経験をしてきた背景の中で、私自身が社会から学んだ経験を基に故郷の後輩の方々にその一部でもお伝えでき、そしてお役に立てたら、という思いから2010年からこのような活動をしています。

 卒業生が進学、または就職し、それぞれが新しい環境の中でステップアップする時、相手を思いやる心から生まれるマナーの意味を深く理解し、そして、TPOに合った正しい身だしなみ、立ち振る舞いなど、社会適応能力を高めることにより得られるコミュニケーション力を身につけることが学力と共に大切と考えています。

 これらの意識の向上や気づきが外面的な強化効果を生むだけでなく、自信や行動の源となったり、人間関係をより良好にしていくものと思います。

 また、私は長年フリーランスのメイクアップアーティストとして活動する中で、ブランド力は自分自身が作り備えるもの、ということを学びました。そして多くの失敗や挫折からもたくさんの学びを得ました。

 挑戦することを怖いとかムダなことと思わず、やってみることに意味があり、たとえ失敗があってもそれは本人にとって大きな財産になると考えています。大小かかわらず目標を持つことの大切さ、そして、夢や目標を叶えようと行動するプロセスに価値があるということを伝えて行きたいと思っています。

永野さち子

次世代を生き抜くカギになる。セルフブランディングで自分の価値を高める方法

そもそも「セルフブランディング」とは?

「セルフブランディング」とは、自己を意味する「セルフ」と顧客の共感や信頼を高めるマーケティング戦略として知られる「ブランディング」を合わせた複合語です。ブランディングは商品を販売する際に使われますが、セルフブランディングは自分自身を商品として、その価値を高めることを意味します。また、生き方・働き方・信念を軸とする「インナーブランディング」と、ロゴ・デザイン・容姿といった「アウターブランディングに分けられます。
多くの方は芸能人や政治家、起業家(フリーランス)にのみ必要なスキルと認識していますが、平成も終わりに近づいた現在、老若男女問わずどんな方でもセルフブランディング力は必要不可欠なものになっています。
ではなぜ近年、より多くの人にセルフブランディング力が求められるようになったのでしょうか?

セルフブランディングがカギになる。時代の変化に合わせた働き方。

ここ10年間の間にインターネットは著しく発展し、それに伴いSNSの利用者も急激に増加しました。誰もが簡単に情報を発信したり、仕入れたりできるような時代になった一方で、我々はその情報が正しいものか誤ったものかを見極めなければなりません。そこで重要になってくるのは、「誰から」情報を受け取るかということ。私たちは自ら果たすべき役割や、生み出せる価値を発信することで、共感や信頼を得ることを重要視するようになったのです。

この10年の間にインターネットが中心となった社会に大きく変化したように、10年後の未来を誰も想像できません。今当たり前と言われていることも、10年後にはそうでなくなっているかもしれません。
アメリカでは企業や組織に所属せずに働く「フリーエージェント」という言葉があり、すでに個が力を持った働き方は日本よりも進んでいます。アメリカにおけるフリーエージェントの数は、人口の3分の1にも及んでおり、今後日本でもそのような人が増えていくと考えられています。

ではこのまま不安と共に変わりゆく時代を生きていかなければならないのでしょうか?
時代が変化しているのであれば私たちの在り方や働き方も同様に変化してかなければなりません。
何が正しいか定義づけされていない世の中だからこそ、企業や組織に依存せずに個人の能力を生かした働き方をしていく必要があります。一方で企業としては、個人の能力を最大限発揮できるような組織づくりが企業の成長に繋がっていくのではないでしょうか。

そこで鍵となるのが、セルフブランディングです。
冒頭でも述べたように、セルフブランディングは芸能人や政治家、起業家(フリーランス)に限られたスキルではありません。就職活動をする際にも、自分にしかできない価値をアピールすることは大きなアドバンテージになりますし、もっと身近な例としては、恋愛や友人関係においても同様のことが例えられます。これら全てに共通して言えることは、「特定の人」に求められる存在になること。芸能人であればファン、政治家であれば有権者、起業家であれば顧客、恋愛であれば恋人など全てにおいて特定の人に求められています。このことこそが、AIの発達など今後何が起こるかわからない時代を生きていくにあたってあなた自身の不変の価値になるのです。

具体的な実践方法

では実際にセルフブランディングを行うにあたり、具体的な核の決め方ついて説明します。

  1.  核を決める
    自分の強みは案外普段当たり前にやっていることが多く、自分のことを客観視することは難しいので友人や家族に自分の強みを聞くのも一つの方法です。自分の強みや幼少期に得意だったこと、今までの成功体験をもとに考える自己分析と並行して他己分析を行うことでより自分の軸となるものが形成されます。また自分の強みは、周りや社会にどんな影響を与えることができるのかも併せて考えるとより具体的に「自分」について説明できるようになります。
  2.  発信する
    セルフブランディングという言葉通り、自分の核となる考えは誰も拡散してくれるわけではなく自ら発信して周りの人からの共感や信頼を獲得しなければなりません。どのSNSやブログを使って、どうやって発信するかを決めるのはアウトブランディングにあたります。せっかく、核となるものが立派なものでもそれがうまく伝わらなければもったいないので、伝え方にも試行錯誤が必要です。

各々が個人の強みを把握した上で、その能力をどう育て企業の成長に繋げていくのか。それを考えるためにはまず個人がセルフブランディングを行う必要があるということです。

最後に

職業や働き方を問わず、個人として何ができるのか、どんな価値を生み出せるのかを自分自身で把握することさらにはそれを発信することは今後とても重要視されていきます。企業に勤めている人も、個人で活動している人も1度だけの人生だからこそどう生きていきたいのか、どんなことで世の中に貢献したいのかを考えてみてはいかがでしょうか。

(文責:長谷川)

お客様目線を大事とするビジネスメイク

サナ・クリエイティブでは「メイクは自己を伝えるプレゼンテーション」と捉えています。
では、ビジネスにおけるメイクは何を重視するべきなのか、代表の永野にスタッフ新井がインタビューしました。

 

ビジネスメイクは相手目線、プライベートメイクは自分目線

ービジネスメイクとは何でしょう?

永野:社会人として最低限身に付けておきたいマナーの基本のうちのひとつです。
会社の顔としての誇りを持つ外見力、とも言えますね。

ーなるほど。ではビジネスメイクとプライベートメイクはどう違うのでしょうか?

永野:意識の持ち方の違いです。ビジネスメイクというのはマナーの一環で、「相手目線」。そして企業人としては自分がどうあるべきかという意識を持つことだと思います。プライベートメイクは「自分目線」、自分のために楽しむもの。ただし、これらを切り替えるためにはメイクの基本概念を理解してないと応用がききません。

 

ビジネスメイクで必要なのは「技術」ではなく「考え方」

ーメイクの基本概念とはどういったものでしょうか?

永野:たとえば下地作りやファンデーションを例に挙げると、お顔の中で色むらをフラットにするのがファンデーションなどの役割です。ファンデーションは隠すためのものと思っている方が以外と多いのですが、下地やファンデーションの作業はメイクを完成させていくための土台作りです。

イメージしやすいところで言うと、メイクには、スキルやテクニックといった「技術」がありますね。よくありがちなのは「技術」を身につければ、上手なメイクが出来るということです。でも、それだけだと片手落ちで、まず目的があって、そのためにどんなメイクを施していけばよいか、その「考え方」がメイクの基本概念と考えています。特に、ビジネスメイクでは「考え方」が重要になりますね。

ーそこで、「相手目線」に立って考えて組み立てる必要があるわけですね。

 

見た目も実力のひとつ、自己PR下手は損をしている

ーそもそもどうしてビジネスメイクをはじめようと思ったのでしょうか?

永野:メイク、髪型、服装など、表面で表現する方法は色々ありますが、その中でも女性ならではというとメイクですよね。マナーの一環であるというのはもちろんですが、自分の内面的なもの、自分の目指す女性像を自分自身でコーディネートできる力をもてれば、自己PR力や人からの見られ方も変わってくるはずです。それらを当たり前にしていきたいと思ったからです。

ー人からの見られ方、ですか。

永野:そうです。例えば衣類や装飾品などを扱う店員さんなどが分かりやすいと思うのですが、店員さんのとても素敵な着こなしを見て、自分も欲しいなって思ったことはありませんか?その逆もありますよね。それらを扱う店員さんのイメージから何となく購買意欲が薄れてしまったり…。見た目の印象というのは、他者からどう見られ、どう映るか、に影響を及ぼすのではないかと思うのです。

 

男性にも必要な、見た目の自己PR力

ー自己PR力ということは、女性だけではなく男性のニーズはどうなのでしょうか?

永野:もちろんニーズはあります。ですので、年代別の男性向けのプログラムも設けています。特に自分のスタイルに甘んじてしまう40代~50代以降の方などへ発信したいですね。企業のご担当者様からよく耳にするのは、そのくらいの年齢になりますと気になることがあっても周囲からはなかなか言えないと。また男は見た目じゃない、という方もたまにいらっしゃいますが、他者目線からの意見を聞くのはとても効果的だといえます。第三者(お客様)目線に立って、自分を俯瞰して見てみると新たな気づきがあるかもしれません。一定の歳を重ねた人は、多くの経験を積み実績を重ね、人格も備わってきます。そういった内側にあるものと表層は合っていた方が好ましいですし、そうでないと勿体ないと思います。そういったスキルは女性だけではなく、男性も必要だと考えています。

ーありがとうございました。最後に一言お願いします。

永野:ビジネスメイクは相手目線を考えた装いです。メイクを意識することで身だしなみや、振る舞いなどの意識が広がっていきますし、上手に自己PRができれば自然と周りからの評価も変わってくるでしょう。そして、自信はモチベーションにも繋がりますね。自分の可能性をより引き出せるように、メイクを一緒に楽しく学んでいきましょう!

 

<まとめ>

  1. ・ビジネスメイクは相手目線、プライベートメイクは自分目線
  2. ・お客様にどう見られたいか、から逆算して組み立てよう
  3. ・年相応の見え方があるので、見た目の自己PR力は男性にも必要

(文責:新井)


 

頭で理解するから身につく法人向けビジネスメイク研修

サナ・クリエイティブの研修では、テクニックを表面的に教えるのではなく、経験に裏打ちされた独自のメイク理論と実技で、ビジネスメイクを確かに身につけることができます。
法人向けビジネスメイク研修