メイクを身につけると広がる世界

メイクアップアーティストとして経験を積み上げていく中から得た気づきとは何か。
「身だしなみに留まらず、個人の世界を広げるのがメイクの素晴らしさ」を提唱している、代表永野にスタッフ新井がインタビューしました。

 

◆なぜメイクをするのか?メイクの素晴らしさとは?

ーメイクの世界に入ったきっかけを教えてください。

永野:振り返ると物心ついた頃から美に対しての強い興味とこだわりのようなものが生まれ、その一部であるメイクにもとても関心がありましたが、どうしてもメイクアップアーティストになりたいという強い願望はなかったんです。それよりは、女性として身に付けていて一生を通じて決して無駄にはならないだろうという考え方のほうが強かったと思います。

ーメイクをお仕事にされたいというわけではなかったのですね。

永野:そうですね。でも、数年前にメイク学校で勉強していたときのノートを見ていたら1ページ目に「自分はこのメイクアップを通して多くの人にメイクの素晴らしさを伝えられるひとになりたい!」と書いてあったのを見つけて自分に驚きました。その当時から潜在的に現在のような仕事をしたいと思っていたんでしょうね。

 

◆メイクの技術は簡単には身につかない。考え方を知ることが大事。

ー時々メイクが苦手と言う女性がいますが、その理由を尋ねると、たまにすると違和感があったり、周囲から変といわれるから、結局やらなくなってしまう。と聞きます。

永野:そういうお声は、メイクを普段しない方からよく聞きますね。世の中にはメイクに関する情報はたくさんありますが、それを真似てもうまくいくとは限りません。最初に必要なのは「技術」ではなく、まずは「考え方」を知ってもらうことが大切と考えています。

ー考え方というと、具体的にどういうことでしょうか?

永野:メイクは「なんとなくするもの」ではなく「ゴールから逆算して組み立てるもの」ということです。見た目も戦術のひとつです。せっかく実力があるのに、うまくプレゼンできず、損をしている人がいます。例えばオリンピックのプレゼンテーションを思い出してみてください。ゴールに向かって効果的な手法でしっかりとアピールしていましたよね。そのかいあって東京オリンピックは見事勝ち取りました。こんな風にメイクの中でもプレゼン力をみなさんに身につけてほしいなと思います。

日本では今までは同じであることが安心であったり、よしとされてきたかもしれませんが、これからは違ってきます。さまざまな要素から成る表現力が重視されてくるでしょう、同じ言葉を話していても話す人の印象度で伝わり方が変わってしまうように、非言語要素の力はとても大きいのです。

 

◆大事なのは、なりたいイメージをゴールにもつこと

ーゴールから逆算していくということですが、まず各個人がゴール設定をしなければいけないということでしょうか。

永野:はい。それが先ほどお伝えした考え方を知るということですね。中でもみなさんにお願いしたいのは「なんとなく」ではなく、しっかりと考えてメイクをしてほしいということです。

ーなんとなくメイクって、例えばどんな感じですか?

永野:全体とそれぞれのパーツをよく見ていないということでしょうか。例えばファンデーションを例に挙げても、ムラがあったり、塗れているところと塗れていないところがあることさえ本人が気づいていません。眉毛を一筆書きで描いているのも不自然ですね。また、スキンケア、メイクアップ用品のそれぞれの役割を知らない方が多いです。そういうことなどが原因でなんとなくメイクになってしまっているのではないでしょうか。

なりたいイメージのゴールから逆算して組み立てていってほしいですね。
ナチュラルメイクという言葉をよく耳にすると思いますが、とかく必要最低限の引き算メイクと捉えられがちですが、そうではありません。本来は計算して結果的に自然に見えるメイクを目指すやり方で、引き算ではないのです。自然に見えるためには顔のパーツそれぞれの成り立ちを知ること、その上でゴールにつながる技術や道具に対する知識などが必要になってくるのです。

 

◆自分を観察しよう、自分に合ったメイクは自信につながる

ーメイクをする素晴らしさについて教えてください。

永野:自分を観察してお化粧すれば「きちっと感」がでます。家にいてだらっとしている時と、外に出るときの「きちっと」しているオンオフみたいなものは誰にでもありますよね。メイクをはじめ、髪型、装いや、身だしなみを整えることはなりたい自分や見せたい自分へのポジティブスイッチです。ですから、日々の義務と感じず、楽しむぐらいの気持ちで取り組むと生活に良いリズムが出てくると思います。

ーなるほど、気分に合わせてメイクを変えていくということですね。メイクって自分の定番のものがあるので、場面に合わせて変えるという認識がなかったので、新鮮です。

永野:昔からずっと同じメイクの人っているんですよ。でも流行りもあるし、自分の顔も変わってくるし、メイクは必ず変えていかなければいけません。そこに加えて、今日はこんな自分になりたい、という要素を加えるんです。スーツやドレスを着た時って背筋が伸びるような気持ちになるでしょう?メイクも同じこと。憧れの自分になるのってとても楽しいですよ。

 

<まとめ>

  1. メイクはなりたい自分へ近づく第一歩、なりたい自分をイメージすること
  2. その上で、技術や知識を身につけることが大切
  3. メイク、髪型、装いや、身だしなみを整えることはポジティブスイッチ

(文責:新井)


 

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