女性の真の「活躍」とは?社会の取り組みと実際の女性たちの声とのギャップ

行政も動き始めた女性活躍推進

「女性活躍推進」は、今ではすっかり馴染みのある言葉かもしれません。

第2次安倍内閣における成長戦略の1つとして2015年に女性活躍推進法(正式名:女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)が施行されたことが、この言葉が広く知られるきっかけとなりました。

一定規模を超える企業に対して女性活躍施策の強化を求めるなどした法律であり、当初政府が「すべての女性が輝く社会づくり」を掲げた[1]ことでも話題になりました。2019年の改正では、適用企業数が増えるなど、現在企業への影響力のある法律の一つです。

実際の「女性活躍推進」状況は…?

では、女性たちは実際にどれくらい「活躍」ができているのでしょうか?
活躍の定義は様々ありますが、2003年に政府が掲げていた「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する」という目標[2]から、管理職の割合を例に考えてみます。
結論からいうと、この目標は達成されませんでした。
様々な要因が推測できますが、私たちサナクリエイティブでは特にこの原因について「女性たちが管理職になるメリットを感じられないのでは?」と考えています。

女性たちが働くのは現実の会社や組織です。たとえ素晴らしい法令やコンセプトが生まれたとしても、それを実現する基盤が実際に働く現場にない限り、単なる絵空事で終わってしまいます。

女性たちの「〇〇にはなりたくない」という思い

サナクリエイティブでは、企業で働く女性からお話を伺う機会が数多くありますが、「女性活躍推進」のキャッチフレーズと、現実との間にはかなりのギャップが存在すると感じています。こうした際に、彼女たちが口を揃えて言うことがあります。それは「管理職にはなりたくない」です。
管理職になっても割りに合わない、管理職になった先に希望が見えない、など理由は様々ですが、一言でいうと「管理職になるメリットを感じない」に集約されると考えています。

昨今、日本において女性管理職や経営者はたしかに増えてきてはいます。ただしそうはいっても、まだまだ男性の比率が圧倒的に高いことは自明です[3]
歴史を振り返っても、日本社会はいわゆる「男社会」であったと認識しています。そしていまだに、法令や会社のルールを決める人の多くが男性であり、今回の女性活躍推進を掲げた第二次安倍内閣のメンバーを見てもその多くは男性です。

「女性活躍」を真に推進させるために大切なこと

女性にもっと活躍してほしい、そのためにもより多くの女性に管理職になってほしい、女性の管理職登用比率を向上させよう…。
こうしたコンセプトや数値目標を掲げること自体は、今あるジェンダーギャップをうめる有効な手立てではあります。

ただ、同時に働く女性の抱える課題や悩み、不安などの実態を知り、それを解消できる環境や仕組みを作ることは常にセットであるべきだと考えます。
そうしない限り、現実的に目標が達成できないばかりか、女性が大きなプレッシャーを感じてしまったり、管理職に登用されたとしても誰にも頼れずに孤立してしまったり、といった事態にもなりかねません。

女性活躍を真に推進するには、まず現場の女性たちの声を知り、寄り添う仕組みや基盤を社会や組織全体で築いていくことが大切だと考えます。

このような知見からサナクリエイティブは、働く女性たちに貢献できるよう様々な取り組みをしています。
無料でのカウンセリングも承っております。お気軽にご相談・お問い合わせください。


[1] 男女共同参画局 :第1節 すべての女性が輝く社会づくりに向けた政府の動き
[2] 男女共同参画局 :ポジティブ・アクション
[3]en world:女性管理職実態調査
【【図2】女性活躍推進についての『2020年 30%』目標について「知っている」と回答した方に伺います。『2020年 30%』目標は達成できそうですか。】に対して「達成は難しそう」と回答した企業は66%だった