風通しの良い職場を作るには?企業と従業員のコミュニケーションについて

コミュニケーション不足が引き起こす問題

社内でのコミュニケーションがインターネット上でのチャットに移行している話をよく耳にします。近頃問題とされている「仕事ができない部下」と「仕事を頼めない上司」はなぜ起こるのでしょうか?また、それらを解決するためには何が必要とされるのでしょうか?

企業が抱える多くの問題は、9割近く「コミュニケーション不足」によって起こっていると考えられます。これらの問題を根本から解決するためには、上司と部下間でのコミュニケーション不足だけでなく、企業と従業員の間でのコミュニケーションを積極的に図ることが必要になります。

悪いのは部下でもなければ、上司でもない。

何か問題が生じた時に、仕事ができなかった部下を叱るということをよく耳にします。しかし、それは本当に部下だけの責任なのでしょうか。

部下が思い通りに仕事をこなせなかったということは、思い通りの形を部下に共有しきれていない上司にも責任があります。一方で、生半可な理解や不明点を放置したまま仕事を進める部下にも責任があります。つまり、どちらが悪いのではなくこれは双方のコミュニケーションの欠如によるものなのです。

しかし、この事を認識せずにその場で起こった事象から責任を押し付ける人が多いように思えます。お互いに責任があるのにも関わらず、一方的に叱られれば、部下の立場の人間が不平に感じるのも当然のことでしょう。そしてさらに、不満な態度をとる部下を上司は「最近のゆとり世代は」や「打たれ弱い」などと評価します。これでは、企業にとって負のスパイラルに陥っているとしか思えません。

忘れがちな企業-従業員間のコミュニケーション

もちろん企業内でのコミュニケーションは重要ですが、企業と従業員はよりお互いにズレが生じないようにコミュニケーションを図る必要があると思います。

接客サービスにおいて高い評価を得ているスターバックスを例に考えてみましょう。スターバックスでは、70時間以上の研修によって企業の理念や存在意義、ホスピタリティについて学ぶ時間が設けられています。恐らくアルバイトで70時間もの研修時間を設けている企業はそう多くはないでしょう。「奇跡の接客術」と言われる秘密は、長時間にわたって行われるコミュニケーションにあります。スターバックスには接客サービスに関するマニュアルが存在しないにも関わらず、いつどこの店舗に行っても質の変わらない接客サービスを受けることができるのには、パートナー(スターバックスのアルバイトの名称)一人一人が企業理念に則って自らの意思で判断し、行動しているからだと考えられます。

 

最後に

近年、基本的な伝達事項がチャットに移されたり、タスクがマニュアル化されていたりと便利になった反面、コミュニケーションを取ることや、自ら判断し行動する機会が減っているように思えます。コミュニケーション不足による問題が注目されている時だからこそ、原点に返って対人のコミュニケーションについて見直してみてはいかがでしょうか。

( 文責:長谷川)